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コーヒーの栽培と加工

コーヒーの成育条件は年間の平均気温が15~30℃(最適20℃)で年間降雨量が1,500~1,600ミリあり、いずれも年間を通じて平均的で、年ごとの格差も少ないほうがよいとされています。
土壌は必要な栄養を豊富に含んだ火山性の土地が最適で、斜面であればなおよく、このような条件を満たす土地であればどこでも栽培は可能であります。
このような気候条件は実際には南北の回帰線(23°27′)に挟まれた熱帯の高原部に一致していて、多くの部分で産業化しています。このような地帯をコーヒー・ベルト、またはコーヒー・ゾーンとも呼ばれています。
育成には十分な日照が必要で、根を痛めないために地温を上げないことが大切だとされています。
そのため周辺にバナナやソルガム、マンゴー、サトウキビなどのシェイド・ツリーを植えて、日陰をつくる必要がありこの管理にかなりの労働力が必要となっています。
収穫の方法はさまざまで、成熟したものを手で摘み取る、枝から葉ごとしごき取る、落ちたものを拾う、手でたたき落とす、農業機械で収穫するなどがあります。
急勾配の斜面では腰にロープを捲いて作業しなければならないこともあり(いわゆるモンキー・スタイル)ます。落果したものは腐敗したり異臭を持つ場合がありますので手摘みが良いとされています。
種子はふつうは2個の半球がフラットな面で向かい合う状態で育ちます。ただし枝の先端部分では一方が矮小化して1個のまるい種となります。これをピーベリー(丸豆)と呼び珍重することがあります。
精製方法は乾式法と湿式法に大別されています。
・乾式法(dry method,unwashed,natural)は古くからある方法で、現在でも大量の水を使用できない地域や小規模農園では主流の方法となっています。
ブラジル、イエメン、エチオピアが代表的なナチュラル・ビーンの産地であり、またロブスタの精製でも普通に行われています。
収穫された果実をコンクリートの乾燥場に広げて天日で乾燥させます。
果実の状態によって1~10日で黒変して外皮と果肉が固く剥離しやすい皮状になります。
この期間中は毎日よく撹拌を続け、夜間には小山にまとめてシートを掛けて夜露からまもります。
この段階での豆の水分はおよそ20%前後だそうです。こうして黒く乾燥した果実をドライ・チェリーといい、次にこれを脱穀して最終乾燥を行います。
14%以上の水分が存在すると腐敗微生物の発生率が非常に増大するため、仕上がりの含水率は12~13%が目安に調整されていてます。
・湿式法(wet method,washed) 現代的な方法で水の豊富な土地での精製に採用されています。
いまではブラジルやエチオピアなどを除くほとんどのアラビカ生産国でこの水洗式のコーヒーが生産されています。
収穫したチェリーを水槽に1~2日寝かせて未成熟果やゴミ、葉を洗い流します。
次に果肉除去機(プルパー)で外皮と果肉を種子から分離し、発酵槽で1日掛けて粘質物を分解します。
この後はまた1日、換水しながら水槽で洗い、最終乾燥で水分を12~13%に揃えられます。
水洗式で得られるのは内皮に包まれたままのパーチメント・コーヒーで、普通はこのまま保存されて、出荷時期に脱穀、機械選別、ハンド・ピック、格付け、計量、麻袋詰めなどが行われます。
乾式法(ナチュラル)はフレーバーが独特のものとなり、軟質の豆が多くコストも低くすみますが、欠点豆の混入も多くなります。
湿式法(ウォッシュト)は雑味のない単調なものとなりやすく、硬質の豆が多くなる傾向があります。
コストが高くなる反面、ハンド・ピックで取り除きにくい未成熟果(死豆)はほとんど混入しません。
どちらも有利不利な点がありますがどの方法を採用するかは産地ごとの地理的経済的事情に依存します。
どの精製方法の場合でも乾燥する行程は不可欠で最近では機械乾燥が普及しています。
機械乾燥は50℃の熱風で3日ほど掛けて行うもので、天候にも左右されず、作業期間を短縮できる利点がありますが、たいていは天日乾燥との併用です。
コーヒー豆に含まれる脂肪成分の酸敗の速度はわずかな加熱でも急激に加速するので、機械乾燥がコーヒーを熱で劣化させるという批判もこのごろは多くあり、完全なサンドライにはプレミアムの付くこともあります。

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