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コーヒーの分類

一般的に楽しまれているコーヒーの原種にはアラビカ、カネフォラ(ロブスタ)、リベリカのいわゆる「3原種」があります。

アラビカ種

エチオピア南部のアビシニア高原の原産。19世紀の末まではコーヒーにはアラビカ種しか知られていませんでした。
コーヒー好きで有名なベートーベンがベニスで楽しんだのはこのアラビカ種です。アラビカ種の特徴は香味の優れて豊かなことです。生産地ごとの土壌や気候の違いによる個性が明確に表れる反面、病害や霜害に弱く、また1,000~2,000メートルの高地での栽培に適するため栽培の大規模化や効率化が難しい難点があります。
それでも味覚の面で他の種より優れているため、栽培されているコーヒーの75~80%を今でもこの種が占めています。
これまでの年月の長さと栽培機会の増加の結果、アラビカ種には70種を越える栽培変異種が発見されていて、その生産地ごとのブランド名で楽しまれています。
現在、栽培されているコーヒー豆のほとんどがアラビカ種となっており、多数の栽培品種に分類されています。アラビカの各品種はそれぞれの木がそれなりの個性を遺伝的に備えていて、それぞれ香味が異なります。

1.モ カ

イエメンやエチオピアの原種に近いアラビカ種をまとめてモカと呼んでいます。
アラビカ種には実際に多様な遺伝形が混在するのですが、原種に近いということで、他の産地とは違った捉えかたがされています。
モカの名称はイエメン南部の積出港(現在では残っていません)の名で、かつてヨーロッパ向けのすべてのコーヒーがここから出荷されていたためこの名称があり、商品名としてもよく知られています。

2. ティピカ

カリブ海にある仏領マルティニック島にモカがはじめて移植され,栽培に成功して中米の各地へと増殖されて行きましたが、このマルティニク起源の系統がティピカです。この島での栽培は跡絶えてしまい、現在でも残るのはメキシコ、エルサルバドル、ハイチ、ジャマイカなどの限られた地域に過ぎません。ティピカ種はマイルドで芳香に富み、雑味が少ないのですが、収穫量は少なく、霜や病気に弱い弱点があります。

3. ブルボン

東アフリカのインド洋に浮かぶ仏領ブルボン島(現レ・ユニオン島)で栽培されたティピカ種の変異で、この島から移植を受けたブラジルで発見されました。
ブラジルの他、グァテマラやコスタリカなどにも移植され、ティピカ種と同様にモカの原種に近く、味も香りも良好で広がりがありますが、病害や霜害に弱い欠点があります。豆の形は円形に近く比較的に小粒で、ティピカとブルボンが中南米の上質なコーヒーの主流となっています。新品種の普及した現在の生産状況ではこうした古い品種は手間もかかり貴重なものとなっています。

4. マンデリン(スマトラ)

インドネシアのスマトラ島の地域種で、マンデリン・コーヒーとして知られています。

5. カトゥーラ

ブルボンの変異種。サビ病や低温への耐性があり、樹高が低いため収穫などに都合が良くて、小粒ですが収穫量が多い利点があります。中南米で広く栽培されています。

6. ムンドノーボ (ニューワールド)

ブルボンとマンデリンの交配種。ブラジルの主要品種であり、きわめて生産性が高く、病害にも強く、味もそれほど悪くはありません。

7. マラゴジーペ (マラゴジッペ)

ブラジルで発見された変異種。種子がアラビカ種では最大であり、2~3センチにもなることがあります。大味であまり好かれていませんがもの珍しさがあります。

8. バリエダ・コロンビア (コロンビアーナ)

コロンビアで開発された品種で、もっとも生産性が高く、強い性質を持つています。香りが劣り味もフラットで苦みにクセがあますが、コロンビアの大部分を占めるまでに普及しています。

9. アラブスタ

初期のハイブリッド。ブラジルで開発され、世界中に普及して栽培されています。以上のとおり品種ごとの特性はアラビカ・コーヒーの品質を大きく左右しますが、好みにより選択するのも楽しいです。

カネフォラ種 (ロブスタ種)

ロブスタはカネフォラ種のもっとも代表的な地域種の名称です。
カネフォラは中央アフリカのコンゴ盆地が原産地です。比較的に低高度の高温多湿の土地でも栽培できること、耐病性のあること、収穫安定までの期間が3年と短いこと、収穫量も多いことなどの理由によりアラビカ種の生産に向かない土地で生産されています。
味は平坦で苦みが強い傾向がありますが、加熱や時間経過による味の変化が少なく、重量当りのエキス量もアラビカの2倍以上あるとされているので、缶コーヒーやインスタント・コーヒーの材料に多く使われています。
また抽出条件が一定でなくても一様の味が出しやすいので、パック等で売られている一般家庭用のコーヒー豆に配合され多く使われています。
豆の形がカニのハサミのように丸みを帯びているのでこの名称があります。アラビカ種とロブスター種の違いは遺伝的な違いです。

リベリカ種

西部熱帯アフリカが原産地です。高温多湿の低地での栽培が可能で収穫量も多いことから、アジアに移植されたこともありますが、きわめて苦い味から需要も伸びないままサビ病で全滅しました。現在では原産国の現地消費用と各国の研究用の栽培が主なものとなっています

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コーヒー豆の格付

コーヒー豆の格付けは各産地国ごとに専門のコーヒー機関によって行われています。これらは流通、価格、品質を管理し、研究、宣伝、統計などの ICO の加盟国としての活動を行っています。

1.産地高度

コーヒーの品質は朝夕の気温差の大きい高地で生産されるものが良質とされています。つまり実が固くしまって、酸味や香り、コクの多い豆になります。重量当りの成分量が多くなることがその根拠のようです。高度差のある中南米の産地国の格付け方法に多く採用されています。

2.サイズ

1/64インチを単位とする網(スクリーン)で選別されています。粒の大きさはコーヒーの味にはあまり関係がないと言われていますが、大粒のものは見栄えがするし、焙煎加工も容易であるため、スクリーンの大きい豆が好まれています。

3.欠点法

サンプル中の石や割れ豆、死豆、その他の欠点を数える評価法です。標準的な欠点の定義は定められていますが、適用されている基準は産地での制度により異なります。
プレミアム・コーヒーと呼ばれる商品では特別の項目を設定されることも多く、差別化が図られています。

オーガニック
有機栽培のコーヒーでメキシコ、ペルーやブラジルなど米市場で普及した銘柄の産地で盛んです。有機栽培の定義は、無機物である農薬や化学肥料を与えないことです。高価であるため手間を掛けられるという利点があります。

高地栽培
栽培高度によって品質差が生じるので、プレミアム・コーヒーの中には特別に高い地域で栽培されたものであると強調するものがあり、たいていは産地の名称で呼ばれています。特別にブランド名を付ける場合もあります。

品種限定
ブルボンやティピカなどの優秀な古い品種を売り物としています。品種名をそのまま呼称としたり、農園名で呼ばれたり、特別なブランド名を付けたりします。

技術や方法
より栽培に適した土地に灌漑施設を完成したり、機械や技術を導入したりして、新たな近代設備や技術を売り物としたもの。これは地名で呼ぶことが多く、またサンドライ(天日乾燥)のように古い手間のかかる方法を維持してプレミアムを取る場合もあります。

オールド・ビーンズ
産地でパーチメントのまま3年以上、適切に保存したコーヒーのことをこのように呼ぶことがあります。やわらかなクセのない味になると言われています。インドのモンスーンド(特別な倉庫で貿易風にさらす)もこれに似ています。生産当年物のコーヒーをニュー・クロップ、2年目のものをパースト・クロップといいます。

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